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HUMMINGBIRD/ WE CAN'T GO ON MEETING LIKE THIS (1976)
1972年、第2期JEFF BECK GROUPは2枚のロック史上に残る名盤を残して解散した。HUMMINGBIRDはその残党であるBOBBY TENCH(Vo&G), CLIVE
CHAMAN(B),MAX MIDDLETON(Key)が中心となり、それにCONRAD ISIDORE(Dr)とBERNIE HOLLAND(G)を迎えて1973年に結成されたバンドである。
1975年、リンダ・ルイスがゲスト参加し、既にCD化も実現したファースト・アルバム「HUMMINGBIRD」を発表した後、曲作りの中心にいたドラムのCONRAD ISIDOREが脱退。しかし、何と驚くことにその後釜にグルーブ・マスターの異名を持つBERNARD PURDIEが正式加入するのである。同時にゴンザレスにいたROBERT
AHWAI(G)がサポート・メンバーとして加入。そしてBERNARDの加入により、より一層ファンキーさを増したバンドは1976年、このセカンド・アルバムを発表するのである。
A面はファンキーでグルーブ感溢れる曲で始まり、続く2曲目はMAXが弾くトレモロの効いたフェンダー・ローズに耳を奪われる。ローズに絡むムーグ・シンセも妖しく美しい。ベースもダブル・ストップを多用したミッド・スローのタイトなインスト曲だ。 A-3はソウルフルな女性コーラスをフィーチャーしたなファンク・トラック。ピック弾きによるベースのイントロが何ともカッコイイ。続くA-4、イントロのツイン・ギターのフレーズが印象的なフュージョン的アプローチのインスト曲。MAXのフェンダー・ローズでのソロやCLIVEのベース・ラインは絶品である。アルバム・タイトル曲A-5はブルージーなボーカルを聴かせるロック色の濃い曲である。この曲でも女性コーラスが活躍している。また各メンバーの演奏も強力でただのロックでは終わっていない。そこのところがこのバンドの魅力なのである。
B-1はムーグ・シンセがメイン・テーマのリードをとる軽快でポップなインスト曲である。BERNARDのはじけるプレイやMAXのフェンダー・ローズのソロも言うことがないほど最高だ。B-2はCLIVEの奏でるハーモニカで始まるノスタルジックな雰囲気のイントロが実に気持ちいいミッド・テンポのボーカル・トラック。曲中のハーモニカ・ソロやフェンダー・ローズのソロ、そしてこういう曲で自由に動き回るベースやドラムのプレイもHUMMINGBIRDならではのカッコ良さなのであるネ。B-3はスライド・ギターが要となっているブルージーなスロー・バラード。そのギターに絡むフェンダー・ローズ、サビの女性コーラスもかなりイイ味を出している。B-4はCLIVEが手がけた変拍子のインスト曲。印象的な曲中のリフはベースとギターのユニゾンでその隙間を埋めるドラミングやMAXの弾くクラビネットも絶妙である。曲中のギター・ソロはROBERTによるものであろう、ピッキング・ハーモニクスを多用したトリッキーなプレイを聴かせてくれる。そしてこのアルバムのラスト。ここでも女性コーラスをフィーチャーしたミッド・テンポでグルーブ感溢れるボーカルトラックだ。
このアルバムはインスト・トラックとボーカル・トラックがほぼ交互に挿入されていて、ボーカル・トラックにはソウルフルな女性コーラスをフィーチャーするというスタイルで構成されている。どの曲にもメンバーの個性が充満しており、まさにワン・アンド・オンリーと呼ぶに相応しいHUMMINGBIRDというバンドを語るのに十分な魅力を持ったアルバムなのである。
HUMMINGBIRDは次のサード・アルバムを以って解散してしまうのだが、そのアルバムもミュージック・シーンに残る名盤なので、いずれまたこのコーナーにレビューを書きたいと思います。因みにこのアルバムに参加している女性コーラスの1人MADELINE BELLは知る人ぞ知るUKのグループBLUE MINKのボーカリストで、ソロ・アルバムも発表していたり、数々のレコーディング・セッションやライヴにも参加しています。また、このアルバムでも共演しているLIZA STRIKEとはエルトン・ジョンのアルバムに於いても素晴らしいハーモーニーを提供しています。
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